森の雑記

本・映画・音楽の感想

2020-01-01から1年間の記事一覧

マンガでわかる ブロックチェーンのトリセツ

マンガでわかる ブロックチェーン のトリセツ はじめに ビットコインバブルはとうの昔に終わったと思っていた。TVコマーシャルで芸能人がビットコインを宣伝する事もほとんど無くなったし、消費者庁が注意喚起を行った事もある。そんな逆風もあってビットコ…

名画の読み方

名画の読み方 世界のビジネスエリートが身につける教養 はじめに 先日は『「名」文どろぼう』を読んだが、今回は『「名」画の読み方』。当方美術館に行くのはわりと好きな方なのに、美術への造詣は全くない。どの絵を見ても「きれいだなあ」「すごいなあ」く…

名文どろぼう

名文どろぼう はじめに 以前竹内政明さんの「編集手帳傑作選」を読んだ。笑える文章から大切に取っておきたくなる文章まで、バリエーション豊かなコラムが揃っていた。さすがは傑作選。そんな竹内さんの別著に「名文どろぼう」(文春新書)がある。新聞のコ…

国債がわかる本

国債がわかる本 はじめに 「国債ってなに?」と聞かれると、ドキッとする。「国の借金」であること、日銀の「買い・売りオペ」の話、「マイナス金利」の意味、このような抽象的かつ断片的な知識は披露できるものの、それがどのような実態を持っていて、メリ…

マンガでわかる 亜鉛の基礎と臨床

マンガでわかる 亜鉛の基礎と臨床 はじめに 健康ブーム、と呼ぶにはもはや遅いくらい、様々なヘルスケアが一般化してきている。ジムに通う人がいれば、スキンケアを怠らない人もいて、多くのサプリメントを毎日のように摂取している人もいる。 でもサプリっ…

台湾生まれ 日本語育ち

台湾生まれ 日本語育ち はじめに 久々に読んだエッセイがとても素晴らしかったので紹介させてください。 温又柔著「台湾生まれ 日本語育ち」(白水社)。 全体をみて 本書は第64回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した一冊である。著者の温さんはタイトルの…

マキァヴェッリ 『君主論』をよむ

マキァヴェッリ『君主論』をよむ はじめに 「君主論」とか「マキアベリズム」の言葉には何やら邪悪なイメージがつきまとう。マキアヴェッリが書いたのは、権謀や残酷を用いる恐ろしくリアリスティックな帝王論、そんな風に思っている人は多いはずだ。 世界史…

アパホテル マンガで学ぶ成功企業の仕事術

アパホテル マンガで学ぶ成功企業の仕事術 利益を生み出す逆張りの成功哲学 はじめに アパホテルと聞くと真っ先に思い浮かべるのは帽子を被った女性、芙美子社長だ。理由は分からないけれど、社長があそこまで広告塔を買ってでるおかげもあってか、同ホテル…

自民党 価値とリスクのマトリクス

自民党 価値とリスクのマトリクス はじめに 中田敦彦のYouTube大学で紹介されているのを見てから気になっていた、中島岳志著「自民党 価値とリスクのマトリクス」(スタンダードブックス)を読んだ。 全体をみて 安倍前首相の辞任後、菅政権が発足してから読…

マンガ認知症

マンガ 認知症 はじめに 今の日本は超高齢社会である。2007年に高齢化率は20%を超え、もはや社会の高齢化は恐れて対処するものではなく、現実として向き合い、付き合っていくものになった。介護や認知症、自動車事故など高齢者にまつわる多岐にわたる論点は…

無印良品は、仕組みが9割

無印良品は、仕組みが9割 はじめに 無印良品にはいつもお世話になっている。化粧水やノートなどの消耗品は価格も使い心地も「ちょうどいい」。バターチキンカレーや不揃いバームなどの食品はシンプルにおいしい。服はクセがなくて着やすい。 そんなこのブラ…

モモ

モモ はじめに 超有名なタイトル、ミヒャエル・エンデの「モモ」。多くの方々が小学生の時に手にしたであろうこの作品を、僕はずっと読んでこなかった。しかし、持ってはいた。両親どちらが買ったのだろうか。「モモ」は実家の本棚にひっそりと置かれていた…

永遠の出口

永遠の出口 はじめに 森絵都さんの「カラフル」を初めて読んだ時の衝撃を覚えている。中学生ってこんなに汚くて、辛くて、怖いものなのか、と小学生だった僕は怯えに怯えた。実際私立の中学に行ったこともあってか、そんなことはなかったのだけれど。 学生の…

新聞報道と顔写真

新聞報道と顔写真 写真のウソとマコト はじめに 新聞には写真がつきものである。モノクロだったり、カラーだったり、トリミングされていたりとその掲載方法はまちまちであるものの、紙面を彩るという意味で写真は大きな役割を果たしている。最近はQRコードを…

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった はじめに 高校生の頃、「東京カレンダー」と「cakes」の連載をよく読んでいた。前者は東京に暮らすアッパー層の生活や小説を、後者はさまざまなクリエイターの「新しい」作品を読むことができた。片田舎で生きる僕にとっ…

言葉から文化を読む

言葉から文化を読む アラビアンナイトの言語世界 はじめに この間に引き続きまたアラビアンナイト関連の本を読みました。 臨川書店、西尾哲夫著。 highcolorman.hatenablog.jp 全体をみて 臨川書店の「フィールドワーク選書」シリーズの本。フィールドワーク…

心にのこるさまざまな話

心にのこるさまざまな話 はじめに 和風で素朴な表紙に惹かれて手に取ったのは、宇野信夫著「心にのこるさまざまな話」(講談社)。タイトルもいい感じ。 著者のこともどんな本かも全くわからないけれど、こういう本を読むときが一番ワクワクする。 全体をみ…

発想の整理学

発想の整理学 AIに負けない思考法 はじめに 故外山滋比古先生が書いた「思考の整理学」のパクリと見紛うようなタイトル、さらに「AIに負けない」といかにも最近ありがちなサブタイトルを備えたこの本を見て、少し嫌な気持ちがしたのは事実である。でもまあ外…

森見登美彦の京都ぐるぐる案内

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 はじめに 高校と大学で合わせて5回くらい京都に行った。理由は2つある。中学時代の友人が京都に引っ越してしまい、彼に会いに行くため。それから森見登美彦作品を読んだためである。 新潮文庫から発行された「森見登美彦の京都…

子どもの人権をまもるために

子どもの人権をまもるために はじめに ついこの間まで高校生だったような気もするが、そろそろ自分を子供だと認識するのが難しい年齢になった。就活を経て社会人を目前にすると、いやでも「大人」になっていると感じてしまう。 大人を自認することは、「子供…

SNSマーケティング 第2版

デジタル時代の基礎知識 SNSマーケティング 第2版 「つながり」と「共感」で利益を生み出す新しいルール はじめに 「SNS時代」を叫ぶにはもはや時代遅れの昨今。SNSを使いこなすことはビジネスパーソンに必須のスキルであろう。そしてその使い方は1つではな…

アラビアンナイトを楽しむために

アラビアンナイトを楽しむために はじめに ディズニー映画で一番好きなのは「アラジンと魔法のランプ」だ。去年公開された実写版は3度も見に行った。あの世界の香り立つ感じというか、熱気というか、そんな部分にはどこか惹かれるものがある。いつか実際に足…

スルメを見てイカがわかるか!

スルメを見てイカがわかるか! はじめに 先日帰省したときに、養老孟司・茂木健一郎著「スルメを見てイカがわかるか!」(角川書店)を実家の本棚から拝借した。タイトルに惹かれて高校生だか中学生だかの頃に1度読もうとしたのだが、内容が全然頭に入ってこ…

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ はじめに しばらく前にSNSで話題になったJamさんの本「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」(サンクチュアリ出版)を、1度読んでみたかった。2年ほど前に出版された本だが、タイトルが特徴的なのでずっと頭…

短編小説講義

短編小説講義 増補版 はじめに 筒井康隆といえば、星新一、小松左京と並ぶ日本SF御三家の1人である。彼が原作を書いた映画「パプリカ」は独特な映像が気になる代物で、いつか観ようと思っている。ネットフリックスのマイリストに入りっぱなしであるが。 そん…

記憶の盆をどり

記憶の盆をどり はじめに 先日読んだ「きげんのいいリス」は小説と呼ぶにはライト、かつ深すぎた。決して貶しているわけではなく、ものすごくいい本だったのだけれど。となるときちんと「ザ・小説」みたいなものを読んだのは色川武大「怪しい来客簿」まで遡…

ずぼらヨガ

ずぼらヨガ 自律神経どこでもリセット! はじめに 最近は若干昼夜逆転気味の生活を送っている。夜思った時間に寝られないことも時々ある。事情があるので仕方ないとはいえ、できれば人らしいタイミングで眠りたいものだ。悩みというほど深刻なものでなく、あ…

The Third Door 精神的資産のふやし方

TheThirdDoor 精神的資産のふやし方 はじめに ここ数日移動が多かったので、道中自己啓発本でも読もうかと思って、アレックス・バナヤン著、太田黒奉之訳「サードドア」を取り寄せた。届いたそれを手に取ると、思ったより分厚く、ずっしりという形容がよく似…

哲学の練習問題

哲学の練習問題 はじめに 思考実験の本が読みたくていろいろ探していたところ、本書に出会った。河本英夫著「哲学の練習問題」は講談社学術文庫から出版されている。このレーベルの本をこれまでに読んだことはおそらく数えるほどしかないので、どんな雰囲気…

きげんのいいリス

きげんのいいリス はじめに 意表をつかれるタイトル。新潮社「きげんのいいリス」は、オランダの作家で医師、トーンテレヘンの著作を長山さきが翻訳した本である。現代を忠実に訳すと「ほとんどみんなひっくり返れた」となるようだが、あえてこのタイトルを…