森の雑記

本・映画・音楽の感想

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

劇団四季 ライオンキング

劇団四季 ライオンキング はじめに 7月末の昼過ぎ、JR大井町駅から歩くこと数分、少しわかりにくい立地にある劇団四季「ライオンキング」専用劇場は、缶詰のような形をしていた。隣には「Cats」の専用劇場もある。1つの演目を開くためだけの劇場があるのは驚…

おたのしみ弁当

おたのしみ弁当 はじめに エッセイを読むのが好きだ。何気ない日常を素朴な言葉に落とし込んだ文章が好きだ。いつからか頻繁にそんなエッセイを読むようになっていた。自分のことを書くというのは、とても簡単なようでいてやってみると意外に難しい。当然の…

世界一やさしい問題解決の授業

世界一やさしい問題解決の授業 はじめに このブログを始めたばかりの時は、けっこうな頻度でビジネス書を読んでいた。「金持ち父さん」「トヨタ式」などがその例だ。https://highcolorman.hatenablog.jp/entry/2020/04/04/140021 けれど、ここ2ヶ月くらいは…

新刊とブックカバー

新刊とブックカバー 先月のことです。 先日、敬愛する森見登美彦先生の新刊、文庫版「太陽と乙女」を購入した。これは、2017年に新潮社が刊行した単行本エッセイ集を同社が文庫化したモノである。新刊を発売日前から心待ちにし、発売当日に本屋に走る行為は…

きまぐれロボット

きまぐれロボット はじめに 星新一のショートショートをひと月ぶりに読む。前回は「地球から来た男」。 地球からきた男 - 森の雑記帳 今回も高校時代に買った本をひっぱり出した。ずいぶん前に手にした本をもう一度読むのって、タイムカプセルを開けるときみ…

ファイヤパンチ

ファイヤパンチ はじめに 「チェンソーマン」といえば、現在週刊少年ジャンプで連載中、藤本タツキ先生の人気作品である。なんとなくジャンプっぽくない作風の本作に、僕は夢中になった。淡々とした描写の中にある人間味に様々なことを思わされ、品があって…

はじめて学ぶ民俗学

はじめて学ぶ民俗学 はじめに 先日南方熊楠の本について書いたが、民俗学と言えばもう一人決して忘れてはならない人がいる。そう、柳田国男である。日本民俗学の開祖ともいっていい彼の功績は計り知れない。そのほんの末端ではあるが、倫理や国語の授業を通…

K君のこと

K君のこと ただの昔話です。 高校時代の思い出の一つに後輩のK君に関するものがある。僕はそれを「ティッシュ募金箱事件」と勝手に名付けているのだが、今日はその事件について書きたい。 高校3年生になっていよいよ卒業が見えてきた夏頃、僕の所属する生徒…

きみの言い訳は最高の芸術

きみの言い訳は最高の芸術 はじめに 最果タヒさんと言えば、今や多くの人の知る現代詩人である。僕は彼女の詩を立ち読み程度でしか目にしたことがないが、彼女のエッセイ「もぐ∞」は読んだ。これは食べ物にまつわるエッセイ集で、食べ物への素敵な感性や表現…

医者とはどういう職業か

医者とはどういう職業か はじめに 先日読んだ「医者と患者のコミュニケーション論」の著者、里見清一先生が幻冬舎から出版された、「医者とはどういう職業か」。前者に勝るとも劣らぬ良書であった。 どんな本にも言えることだが、やっぱり同じひとが書いた別…

千と千尋の神隠し

千と千尋の神隠し はじめに 新型コロナウイルスが引き起こした事象のうち、数少ない正の影響として「ジブリ作品の劇場上映」がある。ウイルスは僕らに名作の数々を大スクリーンと大音響で味わう機会をもたらした。そのチャンスを逃さないよう、先日映画館に…

アマテラスの誕生 古代王権の源流を探る

アマテラスの誕生 古代王権の源流を探る はじめに 民俗学の本について書いた前回に引き続き、今回は神話の本。こういう記事が連続するとなんだか怪しく思われる方もいるかもしれないが、好きなんです、神話とか伝承とか。 初めて古事記を読んだのは、確か中…

南方熊楠 人魚の話

南方熊楠 人魚の話 はじめに 南方熊楠をご存知だろうか。高校倫理や日本史の授業で彼を知った人も多いかもしれない。僕も高校時代に倫理の授業で彼についてほんの少し勉強した。神社合祀に反対したこと、粘菌に詳しい民族学者だったこと、昭和天皇に標本を手…

『広辞苑』をよむ

『広辞苑』をよむ はじめに 中学校3年生のときに電子辞書を買ってもらった。この小さな機械はなかなかの優れものである。英和辞典はもちろん、世界史の一問一答、TOEIC模擬テストなど、実に多くのテキストが内蔵されており、一台持っていれば大抵の学習はで…

ブログのすゝめ

ブログのすゝめ はじめに この間の投稿で記事数が50を突破した。当面の目標を「100日で記事50本」に定めて始めたブログだが、実に92日で目標に到達できた。実に喜ばしい。 これからしばらくは忙しい日々が続くので、これまでの頻度で更新することはできない…

四畳半王国見聞録

四畳半王国見聞録 はじめに 大学2年生の12月に引越しをした。当時の部屋は大学まで自転車で15分ほどのところにあって、4階建ての4階、広さは6畳ほど。脱衣所がなかったり何をするにも手狭だったりと、少々不便な物件だった。そんな部屋に見切りをつけ、今の…