森の雑記

本・映画・音楽の感想

エッセイ

森見登美彦の京都ぐるぐる案内

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 はじめに 高校と大学で合わせて5回くらい京都に行った。理由は2つある。中学時代の友人が京都に引っ越してしまい、彼に会いに行くため。それから森見登美彦作品を読んだためである。 新潮文庫から発行された「森見登美彦の京都…

夜しか開かない精神科診療所

夜しか開かない精神科診療所 はじめに 大きなストレスを感じたことがない。どちらかと言えば気楽な性格だし、小中高大とことさらに負荷の高い環境にいたこともなかった。小学生の時に1度人間関係で悩んだような記憶があるけれど、それだって今思えば些細なも…

きまぐれ星のメモ

きまぐれ星のメモ はじめに 星先生1冊目のエッセイ集を読んだ。先月はまた別のエッセイ集「きまぐれ博物誌」を読んだが、これは2冊目のエッセイ集だった。順序が逆にはなったが、こちらもぜひ読みたいと思っていたところ、ようやく読むことができた。 星新一…

英国式 暮らしの楽しみ方

英国式 暮らしの楽しみ方 はじめに イギリスが嫌いだという日本人とあったことがない。和訳するとめちゃくちゃに長い正式国名、アヘン戦争や悪名高い二枚舌外交など、普通に歴史の授業を受けていればまあまあ悪い印象を持ちそうなのに。それでもやっぱり僕ら…

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事 はじめに 村上春樹の小説を1冊しか読んだことがないのにこの本を読むのは、自分でもどうかと思う。翻訳に至っては1冊も読んでいないし。それでも綺麗な表紙と「翻訳」の言葉に引かれて本書を手に取ることを、寛大なファンの…

きまぐれ博物誌

きまぐれ博物誌 はじめに エッセイを読むのは面白い。大抵のエッセイは著者の主観や見解がふんだんに塗されているからである。フィクションを通すと間接的に受け取らざるを得ない書き手の思想だが、エッセイならダイレクトに味わえる。それが大好きな著者だ…

ごはんぐるり

ごはんぐるり はじめに 料理は嫌いじゃない。特別おいしいものを作れるわけでもないし、ことさらにワクワクすることもないけれど、料理がめんどくさいと思ったことは一度もない。一人暮らしを始めて以来、当たり前のように自炊を続けていると、いつの間にか…

装丁物語

装丁物語 はじめに 本は美しいものであって欲しい。初めて星新一のショートショートを手に取った時の感動は今も忘れられないし、森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」を目にした時のワクワクはまるで昨日のことのように感じられる。前者は真っ白な表紙に描か…

どうせカラダが目当てでしょ

どうせカラダが目当てでしょ はじめに 新しく読むエッセイを探していたところ、衝撃的なタイトルが目に飛び込んできた。「どうせカラダが目当てでしょ」は、王谷晶著、河出書房新社発行の一冊だ。河出書房と言えば、先日ここでも書いた最果タヒ著「きみの言…

おたのしみ弁当

おたのしみ弁当 はじめに エッセイを読むのが好きだ。何気ない日常を素朴な言葉に落とし込んだ文章が好きだ。いつからか頻繁にそんなエッセイを読むようになっていた。自分のことを書くというのは、とても簡単なようでいてやってみると意外に難しい。当然の…

きみの言い訳は最高の芸術

きみの言い訳は最高の芸術 はじめに 最果タヒさんと言えば、今や多くの人の知る現代詩人である。僕は彼女の詩を立ち読み程度でしか目にしたことがないが、彼女のエッセイ「もぐ∞」は読んだ。これは食べ物にまつわるエッセイ集で、食べ物への素敵な感性や表現…

「罪と罰」を読まない

「罪と罰」を読まない はじめに かの名作、ドストエフスキーの「罪と罰」は、タイトルを知っている人に比べて読んだことがある人が少ないことでも有名だ。本書は「君はポラリス」の三浦しをん先生や、翻訳家でエッセイストの岸本佐知子さん、クラフトエヴィ…

美女と竹林 森見風エッセイ仕立て

美女と竹林 森見風エッセイ仕立て はじめに めっきり暑くなって、夏の足音が聞こえる昨今。そろそろ半袖の服を用意したほうがよさそうだ。気温が上がってくると、高校の夏休み、二年連続で出かけた京都を思い出す。中学で転校してしまった友人の家を訪ね、青…