森の雑記

本・映画・音楽の感想

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉から文化を読む

言葉から文化を読む アラビアンナイトの言語世界 はじめに この間に引き続きまたアラビアンナイト関連の本を読みました。 臨川書店、西尾哲夫著。 highcolorman.hatenablog.jp 全体をみて 臨川書店の「フィールドワーク選書」シリーズの本。フィールドワーク…

心にのこるさまざまな話

心にのこるさまざまな話 はじめに 和風で素朴な表紙に惹かれて手に取ったのは、宇野信夫著「心にのこるさまざまな話」(講談社)。タイトルもいい感じ。 著者のこともどんな本かも全くわからないけれど、こういう本を読むときが一番ワクワクする。 全体をみ…

発想の整理学

発想の整理学 AIに負けない思考法 はじめに 故外山滋比古先生が書いた「思考の整理学」のパクリと見紛うようなタイトル、さらに「AIに負けない」といかにも最近ありがちなサブタイトルを備えたこの本を見て、少し嫌な気持ちがしたのは事実である。でもまあ外…

森見登美彦の京都ぐるぐる案内

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 はじめに 高校と大学で合わせて5回くらい京都に行った。理由は2つある。中学時代の友人が京都に引っ越してしまい、彼に会いに行くため。それから森見登美彦作品を読んだためである。 新潮文庫から発行された「森見登美彦の京都…

子どもの人権をまもるために

子どもの人権をまもるために はじめに ついこの間まで高校生だったような気もするが、そろそろ自分を子供だと認識するのが難しい年齢になった。就活を経て社会人を目前にすると、いやでも「大人」になっていると感じてしまう。 大人を自認することは、「子供…

SNSマーケティング 第2版

デジタル時代の基礎知識 SNSマーケティング 第2版 「つながり」と「共感」で利益を生み出す新しいルール はじめに 「SNS時代」を叫ぶにはもはや時代遅れの昨今。SNSを使いこなすことはビジネスパーソンに必須のスキルであろう。そしてその使い方は1つではな…

アラビアンナイトを楽しむために

アラビアンナイトを楽しむために はじめに ディズニー映画で一番好きなのは「アラジンと魔法のランプ」だ。去年公開された実写版は3度も見に行った。あの世界の香り立つ感じというか、熱気というか、そんな部分にはどこか惹かれるものがある。いつか実際に足…

スルメを見てイカがわかるか!

スルメを見てイカがわかるか! はじめに 先日帰省したときに、養老孟司・茂木健一郎著「スルメを見てイカがわかるか!」(角川書店)を実家の本棚から拝借した。タイトルに惹かれて高校生だか中学生だかの頃に1度読もうとしたのだが、内容が全然頭に入ってこ…

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ はじめに しばらく前にSNSで話題になったJamさんの本「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」(サンクチュアリ出版)を、1度読んでみたかった。2年ほど前に出版された本だが、タイトルが特徴的なのでずっと頭…

短編小説講義

短編小説講義 増補版 はじめに 筒井康隆といえば、星新一、小松左京と並ぶ日本SF御三家の1人である。彼が原作を書いた映画「パプリカ」は独特な映像が気になる代物で、いつか観ようと思っている。ネットフリックスのマイリストに入りっぱなしであるが。 そん…

記憶の盆をどり

記憶の盆をどり はじめに 先日読んだ「きげんのいいリス」は小説と呼ぶにはライト、かつ深すぎた。決して貶しているわけではなく、ものすごくいい本だったのだけれど。となるときちんと「ザ・小説」みたいなものを読んだのは色川武大「怪しい来客簿」まで遡…

ずぼらヨガ

ずぼらヨガ 自律神経どこでもリセット! はじめに 最近は若干昼夜逆転気味の生活を送っている。夜思った時間に寝られないことも時々ある。事情があるので仕方ないとはいえ、できれば人らしいタイミングで眠りたいものだ。悩みというほど深刻なものでなく、あ…

The Third Door 精神的資産のふやし方

TheThirdDoor 精神的資産のふやし方 はじめに ここ数日移動が多かったので、道中自己啓発本でも読もうかと思って、アレックス・バナヤン著、太田黒奉之訳「サードドア」を取り寄せた。届いたそれを手に取ると、思ったより分厚く、ずっしりという形容がよく似…

哲学の練習問題

哲学の練習問題 はじめに 思考実験の本が読みたくていろいろ探していたところ、本書に出会った。河本英夫著「哲学の練習問題」は講談社学術文庫から出版されている。このレーベルの本をこれまでに読んだことはおそらく数えるほどしかないので、どんな雰囲気…

きげんのいいリス

きげんのいいリス はじめに 意表をつかれるタイトル。新潮社「きげんのいいリス」は、オランダの作家で医師、トーンテレヘンの著作を長山さきが翻訳した本である。現代を忠実に訳すと「ほとんどみんなひっくり返れた」となるようだが、あえてこのタイトルを…