アウトプット大全
アウトプット大全
はじめに
1年ほど前からどこの書店に行ってもあるのが「インプット大全」と「アウトプット大全」。ずっとそれなりに気にはなっていたが、ビジネス書はあまり得意じゃない上に、「いつかyoutube大学でやるだろう」みたいな心境で、手を出してこなかった。けれどなかなかあっちゃんがやってくれないので、自分で読むことに。
サンキュチュアリ出版、樺沢紫苑著。
全体をみて
ビジネス書をそれなりに読んだことがあれば、どこかでみたことがある内容が多い本。本書の価値は経験則等でわかっていることが、改めて言語化される部分にあると言えるだろう。様々なノウハウを「アウトプット」という観点から集約したことは大いに評価したい。
著者は自分の活動にかなり自信を持っているようで、(意欲的かつエネルギッシュで、成果もたくさんあげておられる方なので、こうなるのも当然だろうが)文章にややナルシズムを感じないでもない。
以下、本書でためになったところ。
3:7
インプットとアウトプットの黄金比。学習効果を高めるのにはこの比率が最もいいらしい。逆になっている場合が多い。
自分の受験勉強や試験勉強を思い出しても、アウトプット先行でやっていたときは確かにうまくいっていた。教科書読むより手を動かせ。
思いは目で
「目は口ほどにものを言う」。コミュニケーションの大半は視覚、聴覚情報の交換であり、言語情報はほとんど重視されないという「メラビアンの法則」も有名。
だからこそ、伝えたいことは矢継ぎ早に言葉を発するのではなく、目をみてじっくりと伝えよう。沈黙していても目を見るだけで通じる気持ちもあろう。
書き出す
ある実験では授業を聞く際に「落書き」しながら聞いていた人の方が飲み込みが良い、という結果が出たそう。黙々と聞くより手を動かしながら聞いた方が吸収できる、というのはその通りな気がする。
複数人でミーティングをするときなんかもただ会話するより、ノートを広げさせたりホワイトボードを使ったりした方が食いつきがいい気もするし。脳内の情報は視覚的にアウトプットした方が吉。
デジタルデトックス
人がぼんやりしているときは意外と脳が活性化しているらしい。僕らは常に小さな画面を眺め、情報をインプットし続けているけれど、これはアイデアを閃くのにあまり良くない。時折デバイスを投げ捨ててボーッとするのもいいかも。
スマホを30分くらいみていると、どうしても気持ち悪くなるときってあるじゃないですか。
目標は公言する
目標は口に出した方がいい。陰ながらやる努力は立派だけれども、人が応援してくれた方が頑張れる。目標もアウトプット。
学習領域
人間の行動を捉えるのに、難易度を基準に三層に分けるやり方がある。一層目は「快適領域」。難なくできる行動を指す。次の層は「学習領域」。今はできないが多少頑張ればできる、そんな行動を指す。最後は「危険領域」。高すぎる目標、無謀な挑戦はここ。
成長するためには二層目に進出し続けることが大事。できることばかりやっていても成長しないけれど、過度な挑戦には不安が勝つ。
おわりに
かなり王道なビジネス書だと思う。気になるのは、これだけアウトプットの重要さを説く本と対にインプットの本が出ていること。あっちはどんな内容なのだろう。